天神合一説
古人は人間は自然の一部なので、自然と共に生活し、自然に習えば不老長寿だと説いています。そこで自然界を長い時間をかけて観察し、そこには一定のリズムがある事を発見したのです。それを陰陽に規制し認識しました。自然に陰陽があり、それに合わせて生活する人間にも陰陽があるはずで、自然界を大宇宙とするなら人間は小宇宙だと捉えました。これを「天神合一説」といいます。
四季に学ぶ
☆古人は人の人生の消長を四季に照らし合わせ自然と共に生きる術を模索しました。
☆春は発陳(はっちん)と称する。
春陽上昇と共に潜気発散し、天地の間に万物みな発生する。
就眠をいくらか遅らせてもよいが朝は早めに起きて散歩するのが良い。
頭髪はもとどりを解いて形を緩め、全体をゆったりと自由にする。
心中の意欲を起こし、育てる。そして起こした意欲は伸び伸びと成長させるべきで
抑えつけてはならない。
生長に役立つものはすべて施すべきで、奪ってはならない。
※これが春氣に対する適応法であり、その生気を保護する道。
春のキーワード
五行 木 自然 風 方角 東
五臓 肝 竅(あな) 目
色 青 味 酸 陰陽 陰中の陽
精気 魂 穀物 麦
☆夏は藩秀(はんしゅう)と称する
万物が成長して繁栄華美なる事をいう。天地陰陽の両気が盛んに交合し、万物に花咲かせ実らせる。
いくらか夜更かしをしてもよいが、朝は早く起き炎天の日長にさらさないよう努めなければならない。
気持ちは常に愉快さを保ち、怒気を含まないよう努めなければならない。
植物が開花するように、人体にあっても内の陽気を皮膚を通じて外に宣通放散しうる
ようにすべて外界志向させなければならない。
※これが夏気に対する適応法であり、その成長の気を保養する道
夏のキーワード
五行 火 自然 暑 方角 南
五臓 心 竅(あな) 舌
色 赤 味 苦 陰陽 陽中の陽
精気 神 穀物 粟
☆秋を容平(ようへい)と称する
万物は成熟して結実し、容(かたち)が平定する事を意味する。地気は粛清にして、物みな色彩鮮明である。
早寝早起きをしなければならない。
鶏さながら日暮れれば眠り、明ければ起きる。
志気は努めて平静を保ち、秋月の草木を枯死させる粛殺の気が、人体に及ぼす悪影響の緩和をはからなければならない。
精神も十分引き締めて秋気と人体との融合をはからなければならない。
これらの努力によって肺気を清浄に保つことができる。
※これが秋気に対する適応法でありその収気<肺による天気を体に収めるの意>を保養する道
秋のキーワード
五行 金 自然 燥 方角 西
五臓 肺 竅(あな) 鼻
色 白 味 辛 陰陽 陽中の陰
精気 魄 穀物 米
☆冬を閉蔵と称する
万物が戸を閉ざして、陽気を潜伏させる事を意味する。河水は結氷し、地面は凍裂する。
必ず早く寝、朝は必ず遅くまで床にある。
日が昇ってから起きるというように、寒気から身を護ることに努める。
意志は沈み隠すように、またあたかも人には言えない秘密を抱いているように、とにかくそっとしておかなければならない。
潜伏している陽気がにわかに奪われたりしないために、汗をかいて皮膚が開かないようにしなければならない。
※これが冬気に対する適応法であり、その蔵気を保養する道。
冬のキーワード
五行 水 自然 寒 方角 北
五臓 腎 竅(あな) 耳 陰陽 陰中の陰
色 黒 味 鹹(塩辛い)
精気 志 穀物 大豆
《社会の用》 ☆一年の計画と行動―努力への投資と回収
春―発動期 (2月3月4月)
一年の初めに計画(目標)を立てる 何の花(実)を咲かせせたいのか
種を蒔く水を与える、栄養を施す… 目標が明確となる
双葉が出る …初めの一歩、行動を起こす(ここで行動しなければ収穫期に間に合わない)
夏―発散期 (5月6月7月)
枝葉が伸びる… 積極的に行動する
小さな花をつける… 目標を意識しさらに積極的に行動する
暑さをしのぎ水やりを怠らない… 継続する
秋―収穫期 (8月9月10月)
開花 …咲いた花を確認する(目的とする花に間違いないか)
小さい実がなる… 努力の結果が出る
実が完熟する… 収穫に感謝して頂く
冬―貯蔵期 (11月12月1月)
種を取る… 蔵に収める
静かに待つ
体力、気力を貯蔵する 忍耐をつけ、知力を養う
種を蒔いたなら水をやり栄養を与え大切に育てよ やがて大輪の花が咲き実がなる
成功の果実を暫し楽しんだなら静かに退き次の機会を待て
人知を尽くして天命を待つべし