危ういかな人間―人類の教師 荘子
人類の教師の一人荘子は「荘子」の中で
凡ソノ心山川ヨリモ険シク天ヲ知ルヨリモ難シ
と説いています
訳)人の心とは如何に単純に移ろいやすく気まぐれで掴みどころがないのか
それが他人事であれば人を理性と理想で語るのに立場が逆転して我が事となるとたちまち本心をむき出しにして騒ぐ
いかにも熱の入れようからしてどれほどに熱狂しているかと思えばある日突然忘れてしまう
とんがっていた蒼き精神は権威を与えられるとたちまち丸くなる
本人にとっては特別な事ではないものをわざわざ取り上げて賞賛の矢面に立たされた日には急に偉人のふるまいをする
理想を旗印に威勢よく心意気を見せていたかと思えば背に腹は変えられなくなると急激に沈下する
等々
このような心の変化は日常茶飯事にあり、当事者が一番気づかぬところではないでしょうか
荘子曰く
兵(ヤイバ)ハ志ヨリ僭(イタ)マシクハナク、鏌鎁(バクヤ)モ下トナス。寇(アダ)ハ陰陽ヨリ大ナルハナク、天地ノ間ニ逃ルル所ナシ。陰陽之ヲ賊スルニアラズ、心スナワチ之ヲセシムルナリ。
訳)人間の執念ほど惨(いたま)しい殺戮の武器はなく、名剣と言われる鏌鎁(バクヤ)の剣の鋭さもこれには及ばない。人間における陰陽の不調和―喜怒哀楽の情念の奔騰ほど恐ろしい侵略者はなく、天地の間に逃れる場所がない。陰陽の不調和が人間を殺害するのではなく、心がそうさせるのである。
2500年ほど前に荘子は戦国時代に在って”人の自由”について考えたのです
今の世の中とはあまりにも違いすぎるのに何故か心に響きます
人類の教師荘子先生誠におっしゃる通りですよ